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【2005.12月号】社会主義の歩みと将来への展望 (18)
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2005/12/22
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社会主義の歩みと将来への展望
個人の尊厳と自立的連帯を求めて(18)
広島大学名誉教授 北西 允
かつてレーニン主義は、独占資本主義=帝国主義段階におけるマルクス主義の政党的発展の所産だとの評価が、とりわけ共産主義を信奉する人々の間で一般化していた。そのため「マルクス=レーニン主義」という呼称が、1990念を前後するソ連・東欧共産圏の解体まで広く使われていたように思う。日本共産党も例外ではないし、そういう私自身も同様であった。
しかしソ連崩壊後、ロシア革命の再検討が進み、膨大な「秘密文書」が公開され、レーニンの論的らの著作が見直される中で、レーニンは必ずしもマルクスの政党的後継者ではない、との所説が有力になってきている。とはいえ、レーニンの思想と活動を全否定することもまた誤りではなかろうか。
レーニンの代表的著作としては、『帝国主義論』(1916)と『国家と革命』(1917)があげられよう。これらはロシア革命の渦中で書かれたものであり、彼の高揚した意識が文体にもほとばしっている。
まず『帝国主義論』でレーニンは、@生産と資本の集積が極度に進んだ結果、経済生活で決定的な役割を演じる独占体が造りだされた、A銀行資本と産業資本が融合し、金融寡頭制が生み出された、B商品輸出とは区別される資本輸出が顕著になった、C資本家の国際的独占体が形成されるようになった、D資本主義列強による世界の分割が完成している、E帝国主義大国は、超過利潤によってプロレタリアの上層部を「労働貴族」化し、日和見主義を培養している、F帝国主義は、その経済的本質において独占資本主義であり、資本主義のあらゆる矛盾を極度に激化させている。これらの特徴から、帝国主義は「死滅しつつある資本主義である」とレーニンは断じた。
ついでレーニンは、『国家と革命』の中で、マルクス・エンゲルスの著作を援用しつつ、大要@国家とは、相争う諸階級の衝突を緩和し、社会を秩序の枠内に維持するため、社会の中から生まれながら、外見上は社会の上むに立つ権力である。A国家は、一階級による他階級抑圧の機関であり、この抑圧を合法化し強固にする機関である、B国家は、公的暴力装置(常備軍・警察・監獄等)を備え、支配階級はそれを媒介に従属階級を抑圧する、C国家は、社会の階級分裂によって必然的に生まれた、従って国家は階級の消滅とともに不可避的に消滅する、と説いた。ただそれ以後の部分は、彼が革命運動に専念したため未完のままおわっている。
ここでひとつ付け加えなければならないのは、晩年のマルクス、エンゲルスが、民主主義が発達した欧米諸国における「平和革命の存在」に言及した点について、レーニンは、これらの諸国でもその後官僚・軍事機構が著しく拡大強化されたため、その可能性は失われたと述べたことである。
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