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時言 「若者を収奪する“擬装請負”とは?」
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2006/08/22
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時言
「若者を収奪する“擬装請負”とは?」
7月31日の朝日新聞は、一面トップで「擬装請負広がる」とし、ここ十数年来生産拠点の国内回帰、「ものづくり日本の復活」の内側で進捗する労働者切り捨ての実態を報じている▽「擬装請負は技術流出を避けたい企業」の思惑による国内回帰、そのための代案条件としての「海外に劣らない程低い労働コスト」という二面から、バブル崩壊後に生産体制に組み込まれた。「もうあたり前のビジネスモデル。今の新工場は大量の請負労働者を使うことを前提に設計しているんです」と大手請負会社幹部は言う▽「擬装請負」とは、メーカーが例えば人材派遣会社を請負会社として形式上もの作り業務を委託し、それを請け負った会社は(製造した製品を納入するのではなく)、低賃金で集めた労働者を、発注元のメーカーに送り、そこで正社員が請け負い労働者の指揮命令を行う▽この様な実態を受けて、小泉改革は04年、製造業も派遣自由化を行い、擬装請負を派遣に切り変えようとした▽しかしメーカー側は派遣法の使用者責任、労働安全上の義務を負う派遣契約を結ぶより、責任や義務を負わずにすむ請負契約で請け負い労働者を使い続けている▽正社員の半額に満たない賃金の請負労働の担い手は、20〜30代半ばの若者。ボーナスも昇給もない低賃金・不安定雇用。こんな法令違反状態が労働局の改善指導だけで放置されて来たのは、労働局が指導企業名を公表しなかったから▽まさに小泉改革・行政が誰のために機能しているのかを物語ってあまりある。我らの反撃の拠点はそこにある。
(安保英賢)
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