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【7月号】ねずみ男旅日記(4)
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2007/07/12
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ねずみ男旅日記(4)
6月前半は佐多岬から熊本までの間を歩いた。よく知られた岬だから食堂はあると思っていたが、あったのは風の吹き込む食堂の跡。
バスも不便で大隅半島の現状が身にしみる。
新聞掲載のおかげで、大きく手をふってくれる人、車を停めてカンパしてくれる人などあった。串木野市では出会った人に泊めていただいた。感謝。
私は理学部に進み、「数式」や「物質」で構成された世界に住もうとしていた。ところが、この無計画な旅では「ご縁」や「お導き」の世界を歩いていることに気づく。一人旅にこだわりはなかった。だが、こんな旅に道づれはいないだろうと一人始めた。無計画だからこそ「泊まれ」と誘われ、「ありがとう」と泊めていただけるのである。そして今歩いているこの地において、受容し受容されていると感じること。これがあって無計画な旅が可能となる。
「憲法9条を忘れているぞ」と言われそうである。でも平和のためには個人相手でも、国家が相手でも、意見の違いを受容し受容されることが必要なのだと思う。そこに対話が生まれる。憲法前文や9条の精神とつながっているように思う。
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