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【8月号】時言 「選挙にならなかった私たちの選挙」
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2007/08/30
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「選挙にならなかった私たちの選挙」
小田実さんがなくなった。笑顔が浮かんで来る。本当に惜しい。殺される側で訴える絶対平和主義等、教えられたことを羅針盤にして進む決意である。病の床から「戦争への道はありふれた日常の中で進行した。ヒトラーも『国民と国家の困窮を救う』ためとして改憲はせず、ワイマール憲法を一時棚上げにし再軍備、それでも防衛用に限ってと宣伝し突き進んだ。結果は周知の事態への突進・・・」。ファシズムは笑顔でやって来ると警鐘を鳴らし続けられた。心より御冥福を祈りたい▽改憲をマニフェストの第一項に掲げ、「手続法」の強行、さらに三年後には改憲は次の目論見となけば今次当選の参院議員がその任期中に改憲の是非を判断する。この時に逢って護憲勢力が「9条ネット」を結集し改憲阻止を闘うのは必定である▽選挙は年金・格差・政治と金等に終始し、私たちの「選挙にならなかった」▽安倍政権の大敗を「民意が読めなかった」からとしているが、小泉・安倍政権は官邸主導と称して、民意に左右されない独裁を強行して来たのである。郵政選挙の刺客で沸いたことに典型するように民意は自らの政策貫徹のために利用されてきた▽この「新自由主義という差別」・「小選挙区という荒廃」の中、主権を信託された議員の責務を無視し、自らの価値観やイデオロギーを国民に押しつける独裁が進行している▽この意識操作と人心荒廃の中、「選挙にならなかった私たちの選挙」を早急に総括しなくてはならない。
(安保英賢)
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