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【1月】時言「なぜ防衛利権の闇は深いのか」
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2008/01/29
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時言「なぜ防衛利権の闇は深いのか」
武器取引に聞かれる世界の共通認識は「腐敗はつきもの」である。「国家の安全」・「国家機密」、あるいは「高度の専門性」等の大義名分や口実による取引の闇は深い。闇が腐敗を生み、必要のない武器が取引される▽この国の防衛利権は巨大である。五兆円にも及ぶ防衛装備品の調達、それもほとんどが随意契約であり、それ故にこそ闇は巨大でより深まるのである。さらにそれ故にこそ、三菱等有力防衛商社等の歴代長官・大臣・防衛族議員・防衛庁幹部への働きかけは執拗であり、用意周到であると言われてもいる▽この闇からこぼれ出たのが、守屋防衛時間・山田洋行等の贈収賄事件であるが、この事件そのもの、さらには腐敗・疑惑の温床総体の解明については、政治あるいは検察の取り組みは今のところ、極めて不的確・不鮮明である。このままでは、インド洋上の給油支援をめぐる「イラク作戦への転用疑惑・給油量取り違えの隠蔽疑惑」等と同じく、あるいは英国のブレア前首相や独国コール元首相と同じように、軍事機密の曖昧の中に逃げ込まれそうである▽そこに切り込み闇を切り開く政治・メディアをその役割通り機能させるのは私たち一人ひとりの力である。「どうせ言ってもダメ。軍事の闇に私たちの手は届かない」など私たちに刷り込まれた疎外意識を払拭しなければならない。そして政治への信託の質を向上・厳正化させる。まさに疎外からの自己回復の年にするために新年を踏み出したい。(安保英賢)
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