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【6月】翼
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2008/06/17
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翼
ローマで、緊急の食料サミットが開かれた。食料が暴騰して、買うこともできなくなった人たちの暴動までが起きたり、食料の輸出制限などの事態が起こる中での会議であった。この食料サミットでは、各国の利害関係が浮き彫りとなった。
日本国内では、にわかに食糧自給率が40%を切っていることが注目を浴び、危機感があおられている。いくらお金を積んでも、食料が手に入らなくなるのではないか?といった論調がまことしやかに語られるようになっている。だが、誰もがふれようとしないところに真実がある。それは、日本の経済界、とりわけ大独占資本と呼ばれるトヨタなどの商品輸出を保障するために、日本の農業を売り渡してきた事実である。車や機械、鉄鋼を大量に輸出する代わりに大量の農産物を輸入する、これが過去、大独占資本とその代理人である自民党が行ってきた政策であった。
新自由主義、グローバリズムの発展に伴って、食料までが投機の対象となった。利益にさえなれば、人が飢えて死のうが関係がない。圧倒的な貧困と巨大な富の集積、これがグローバリズムの現実である。日本の大独占資本も、このグローバリズムの中で巨万の富を形作ってきたが、それが足下から崩れだしたという歴史のパラドックスが現在の事態である。
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