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【7月】翼
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2008/07/31
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翼
ひとつの数字が、その社会の特徴を際立って表すことがある。3万3千人。昨年の自殺者の数である。過去10年にわたって、3万人以上の人が自ら命を絶っている。1年間にひとつの市が消滅するほどの人数が、自ら死を選ぶという事実。これはきわめて異常な事態である。これは社会が発している悲鳴である。
一人ひとりの自殺の原因を追求することはできない。だが、いまの社会構造が、人間として生きる希望を奪い去り、経済的困窮や病気、事故といった原因で立ち直れないほどのダメージを与えていることは間違いない。
「格差社会」「勝ち組、負け組」「いじめ」「うつ病」「ワーキングプア」…さまざまな言葉が、自殺者の背後を飛びかっている。決して個人の性格の問題や弱さの問題に収れんさせることなく、現在の資本主義の矛盾、グローバリズムの進展のなかに原因を求めていかなければならない。
希望はあるのか?ある。それは社会主義の実現である。生活のなかから、社会のあらゆるところから成長し続けている社会主義の萌芽を、確実に育て、組織することから闘いは始まる。そこに新社会党の存在意義と役割がある。
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