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【8月 時言 「そのねらいは明らかである」
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2008/08/31
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時言
「そのねらいは明らかである」
先日、若者の絶望的な言葉に出会った。「まわりが自分のことを必要としない」。そんな生活をしていると自分自身が自分を必要としなくなっていく」・「派遣会社でもののように軽んじられてきた。そのようにされていれば自分も他人をもののように見てしまう」▽
この絶望は自然に発生したのではなく、人為的であることは自明であ。それを生み出す要因の大部分は「99年に派遣を許容する対象業務を原則自由化」・「04年に製造業も解禁したことにある。目的はグローバル化への対応として「使い捨て自由・使い勝手のいい安価な労働力の供給である」▽さらなる「ねらい」は、その結果として2000万人近いワーキングプアとその一方で一部の資産家層の形成・肥大化が示す通り、民主主義の担い手である中流層の解体にあるのである。「もののように使われる」・「明日の仕事も決まっていない」・「働いても食えない」等々、不満・不安・絶望が社会全体に充満させられ、荒廃し、閉塞は出口を求めている▽このような内部矛盾・うっ積するエネルギーを外へ向け、侵略戦争強行のエネルギーに利用してきた権力の策動について私たちは知悉している▽安倍の改憲策動に対し中曽根は「まだ時期でない。一度失敗すれば相当長い間不可能になる」と戒めたと伝え聞くが、その後の小泉・安倍の荒廃策動によって、その時期を迎えつつある感さえある。しかし、一方抑圧すればするほど、それに比例して団結は生まれるのである。
(安保英賢)
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