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2010.4月どこに連れ込まれようとしているのか その2
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2010/05/15
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どこに連れ込まれようとしているのか その2
現今のIT化・オートメ化の下で蔓延する単純労働化の流れは、小泉・竹中等による新自由主義強行の手段としての労働法制改悪も手伝って、膨大な数の非正規雇用を生み、資本の側の収奪強化として機能している。この単純労働化の流れを今後も「不可避」とする識者の論の問題点を、前回指摘してきた▼さらに当該識者は良識派ぶって「不可避」なるが故に社会保障の再編強化、すなわち単純・非正規・低賃金雇用者の生活を支えるセーフティネットとして、今流行のミニマムインカムと失業保険を充実させるべきとしている▼この「単純労働化を不可避(収奪強化の許容)として、これに対して最低限度の生活を保障する賃金によるセーフティネットの充実」という保守勢力による社会意識作りに、政権・メディア・学者等躍起になっている。しかし一皮剥けば、「労働の収奪強化を進め、その付けを収奪した税でミニマムインカム等で支払う」という二重収奪なのである▼しかもこの仕組みは、社会保障も含めた労働者への再配分が、メディアの跋扈・マーケティングの浸透等による資本主義的消費生活のパターン化の中で吸い上げられ、人の生き方そのものが画一化・単純化・退嬰化させられ、もはや労働や生きる意味、社会変革を問わない社会総体の貧困の中に連れ込む罠としても作動している▼その証左は単純労働化の最大問題たる「労働疎外」とそれの克服について、社会総体が見ぬふりをし、遣り過ごしていることである。この疎外克服の闘いこそ資本主義をゆさぶる起爆剤、との認識の共有と共闘が求められている。
安保 英賢
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