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[2月号]翼
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2014/05/01
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翼
国連北朝鮮人権調査委員会(COI)が朝鮮の人権弾圧状態を反
人道的犯罪と規定した。加えて政治的見解が異なる集団を体制にに
対する攻撃と見なして広範囲に抹殺する「ポリティサイド」(政治的虐殺)との見方を表明した▼昨年12月ナンバー2と言われた張成
沢(国防副委員長で金正日前第一書記の姉の夫)氏が公開処刑されたというニュースには、日朝平壌宣言(02年9月17日)に基づいて速やかな国交回復を願う私たちにも戦慄が走った。今だとばかりにメディアは、一斉に「とんでもない国」「危険で野蛮な国」と報じた。
その昔日本も同じであったが、無謀な侵略戦争を起こし、それに敗戦してやっと民主主義国家と言える憲法を持つようになった。しか
し今、「かつての時代」を想起させる状況になりつつある▼一方韓国の状況をしっかり伝えるメディアがないのが残念である。韓国の
朴槿恵大統領は9月、統合進歩党の李石基国会議員及び7名の党員を「内乱陰謀」と扇動の罪で逮捕・拘留した。そして2月3日、李石基国会議員に懲役20年、5人に懲役15年、1人に懲役10年が求刑された。しかし裁判では、容疑は数百箇所に及ぶ「捏造」であることが証言された。つまりこの事件は、大統領選挙不正介入を追及された朴政権と国家情報院とが結託したものである。加えて民衆を代
表とする統合進歩党の解散を裁判所に請求するなど、昨年から今年にかけ民主政党や労働組合に対する大弾圧は、民主主義への重大な
挑戦であると言わざるを得ない▼韓国では昨年12月28日、国鉄の民営化に反対する労働者・市民等の10万人大集会がソウルであったが、これを報じたメディアがあったのか。朝鮮についてはワイドショー的に扱うメディア、韓国については慰安婦・「竹島」問題だけを報ずるメディアに、日本人の意識は操作されているのか。
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